Premiere Proは、プロレベルの動画編集が可能なソフトですが、初心者にも直感的に操作できるよう設計されています。特にショート動画の作成においては、編集の自由度が高く、SNS向けの動画を作成するのに最適です。この記事では、Premiere Proを初めて使う方を対象に、ショート動画を効率よく作成するための基本操作を詳しく解説します。
Premiere Proを始める前の準備
7日間の無料トライアルを活用する
Premiere Proは7日間の無料トライアルを提供しており、全機能を制限なく試すことができます。Adobe Creative Cloudから簡単にインストール可能です。
詳細や注意点については、「今すぐ始めよう!Adobe Premiere Proを無料で使う方法」をご覧ください。
また、「Premiere Pro無料トライアル7日間で動画編集の基礎を完全マスター!」では無料トライアル期間で効率的にPremiere Proを学ぶ方法を紹介しています。
インストールとセットアップ
Adobe Creative Cloudをダウンロードする
- Adobe公式サイトにアクセスします。
- 「無料で始める」をクリック。
- Adobe Creative Cloudアプリが自動的にダウンロードされます。
2. Creative Cloudにログインする
- Adobeアカウントをお持ちでない場合は、メールアドレスを入力して新規アカウントを作成します。
- GoogleやApple IDを使用してログインすることも可能です。
3. Premiere Proをインストールする
- Creative Cloudアプリを開き、「Premiere Pro」のアイコンをクリック。
- 「インストール」を選択し、ダウンロードとインストールが完了するまで待ちます。
- インストール後、「開く」をクリックしてPremiere Proを起動します。
プロジェクトの初期設定
Premiere Proでショート動画を編集する際には、プロジェクトの設定が重要です。特に、SNS向けの縦長動画(アスペクト比9:16)を作る場合、適切な解像度やフレームレートを指定することで、スムーズに編集作業を進められます。以下は、実際の操作手順です。
Premiere Proを起動してプロジェクトを作成
- Premiere Proを開き、「新規プロジェクト」をクリックします。
- 「プロジェクト名」を入力(例: ショート動画1)し、保存場所を指定します。
プロジェクト名は後から変更可能ですが、わかりやすい名前をつけておくと便利です。
プロジェクトの保存先も任意の場所に指定しましょう。
右下の「作成」をクリックするとプロジェクトが作成されます。
シーケンスの作成と設定
- 「ファイル」→「新規」→「シーケンス」を選択します。
シーケンスとは、編集するタイムラインの設定です。これを正しく設定することで、SNS用のフォーマットが簡単に作れます。
- プリセットを選択
ダイアログボックスが表示されたら、左側の「使用可能なプリセット」から「レガシー」→「AVCHD」→「1080p」→「1080p30」を選択します。
- シーケンスを設定を変更
上部タブで「設定」を選択し、以下の値を入力します。
フレームサイズ(横×縦): 1080×1920(縦長フォーマット)
フレームレート: 30fps
作成したシーケンスを保存して開始
設定を確認したら、「OK」をクリックしてシーケンスを作成します。シーケンスがタイムラインに表示され、編集作業を始める準備が整います。
補足: 初期設定が反映されない場合の対応
もし、読み込んだ素材がシーケンス設定と異なる場合、Premiere Proは自動的に調整を提案してきます。以下の手順で対応できます。
- ダイアログが表示された場合、「シーケンス設定を維持」を選択して設定を変更しないようにします。
編集しやすいプロジェクト設定のコツ
- テンプレートを活用: 一度設定したシーケンスをテンプレートとして保存し、次回以降も同じフォーマットを簡単に呼び出せます。
- 縦長動画に特化した設定を事前に作成: 作業効率を上げるため、頻繁に使う設定をプリセット化しておくのがおすすめです。
素材のインポートと整理
素材をインポートする方法
動画や音楽、画像などの素材をPremiere Proに取り込むには、次の方法があります。
- メディアブラウザーを使用する。
- 素材をタイムラインに直接ドラッグ&ドロップする。
ポイント
ファイル名を分かりやすく整理しておくと作業がスムーズになります。
素材の整理方法
複数の素材を扱う場合は、以下のように整理すると作業効率が上がります。
- 「動画素材」「画像」「BGM」など、用途ごとにフォルダーを作成。
- Premiere Pro上でもビン(フォルダ)で素材を分類し、視覚的に分かりやすくする。
ショート動画編集の基本操作
タイムラインでの編集
タイムラインは編集作業の中心です。以下の操作を覚えれば基本編集ができます。
- クリップのカット: 「C」キーでレーザーツールを使い、不要な部分を切り取る。
- クリップの移動: クリップをドラッグ&ドロップで簡単に配置変更。
- トリム編集: クリップの端をドラッグして不要部分を削除。
テキストや字幕の挿入
視覚的に伝えたいメッセージはテキストを使うのが効果的です。
- 「ツールバー」からテキストツールを選択。
- タイムライン上でクリックして文字を入力。
- 必要に応じてフォントや色、サイズを調整。
BGMや効果音の追加
音声トラックにBGMや効果音を挿入する方法を解説します。
- 素材をオーディオトラックにドラッグ。
- 音量を調整する場合は、タイムライン上の音声波形を操作。
- フェードイン・フェードアウトは「エフェクトコントロール」で設定。
Premiere Proをさらに活用するためのチュートリアル動画
チュートリアル動画を活用する重要性
Premiere Proは多機能なため、より高度な編集スキルを身につけたい場合は、公式のチュートリアル動画やYouTubeを活用するのが効率的です。
おすすめの検索キーワード
- 「Premiere Pro ショート動画 編集基本操作」
- 「Premiere Pro テロップ 入れ方」
- 「Premiere Pro オーディオ調整」
公式サイトやYouTubeチャンネルの活用方法
- Adobe公式サイト: 専門家による解説や最新機能の紹介が充実しています。
- YouTubeチャンネル: 「Premiere Pro tutorials」や「Premiere Gal」などの専門家チャンネルが役立ちます。
効率的に編集するためのコツ
ショートカットキーの活用
カテゴリ | 操作内容 | Windows | Mac | 説明 |
---|---|---|---|---|
基本操作 | 再生/一時停止 | スペースキー | スペースキー | タイムライン上の動画を再生・停止。 |
操作の取り消し | Ctrl+Z | Cmd+Z | 最後の操作を取り消す。 | |
操作のやり直し | Ctrl+Shift+Z | Cmd+Shift+Z | 取り消した操作をやり直す。 | |
プロジェクトを保存 | Ctrl+S | Cmd+S | プロジェクトを定期的に保存。 | |
タイムライン編集 | カット(再生ヘッド位置) | Ctrl+K | Cmd+K | 再生ヘッド位置でクリップを瞬時に分割。 |
すべてのトラックをカット | Ctrl+Shift+K | Cmd+Shift+K | タイムライン上のすべてのトラックを分割。 | |
タイムラインズーム(イン) | + | + | タイムラインをズームイン。 | |
タイムラインズーム(アウト) | - | - | タイムラインをズームアウト。 | |
トリム編集(前方を削除) | Q | Q | 再生ヘッドから前の部分を削除。 | |
トリム編集(後方を削除) | W | W | 再生ヘッドから後の部分を削除。 | |
クリップをスナップ移動 | Shift+ドラッグ | Shift+ドラッグ | 再生ヘッドや他のクリップに合わせて移動。 | |
テキストとエフェクト | 新しいテキストを挿入 | Ctrl+T | Cmd+T | タイトルや字幕を作成。 |
エフェクトコントロールを開く | Ctrl+Shift+E | Cmd+Shift+E | テキストやエフェクトの詳細を調整。 | |
オーディオ編集 | オーディオゲインを調整 | G | G | クリップの音量を変更。 |
単一トラックをミュート | Shift+左クリック | Shift+左クリック | 必要に応じて一時的に音声を無効化。 | |
再生とマーカー | 入点を設定 | I | I | 再生範囲の開始位置を設定。 |
出点を設定 | O | O | 再生範囲の終了位置を設定。 | |
マーカーを追加 | M | M | タイムラインに目印を付ける。 | |
書き出し | 書き出し画面を開く | Ctrl+M | Cmd+M | 動画をエクスポートする設定画面を開く。 |
おすすめショートカット
- 再生/一時停止(スペースキー)
- カット(Ctrl+K / Cmd+K)
- タイムラインズーム(+ / -)
- トリム編集(Q / W)
- プロジェクトを保存(Ctrl+S / Cmd+S)
テンプレートの使用
Premiere Proでは、テンプレートを使うことで編集作業を効率化し、プロフェッショナルな仕上がりを短時間で実現できます。テンプレートとは、あらかじめデザインされたタイトル、トランジション、モーションエフェクトなどのセットを指し、初心者でも簡単に利用できます。
テンプレートを使用するメリット
- 時間の節約: 複雑なデザインやアニメーションをゼロから作る必要がなく、短時間で完成度の高い動画が作れます。
- プロ品質のデザイン: 見栄えの良いテンプレートを使うことで、動画全体のクオリティを高められます。
- カスタマイズの自由: テンプレートを基に、自分の好みに合わせて色やテキストを変更できます。
Premiere Proでのテンプレートの探し方
Adobe Stockを活用
Premiere Pro内から直接アクセスできるテンプレートライブラリー。無料と有料のテンプレートが用意されています。
手順
- 「ウィンドウ」→「エッセンシャルグラフィックス」を選択。
- パネル内で「Adobe Stock」を検索し、好みのテンプレートを選んでダウンロード。
外部サイトからダウンロード
無料または有料でテンプレートを提供しているサイトを利用できます。
おすすめサイト
- Motion Array: 高品質なモーショングラフィックステンプレートを提供。
- Videohive: 様々なジャンルのテンプレートが豊富。
- Mixkit: 完全無料で使えるテンプレート多数。
手順
- テンプレートをダウンロードして解凍。
- Premiere Proにインポートして利用可能。
テンプレートの具体的な使い方
- テンプレートの読み込み
- ダウンロードしたテンプレートを「エッセンシャルグラフィックス」パネルにドラッグ&ドロップ。
- プロジェクトパネルに直接インポートして使用することも可能。
- タイムラインに追加
- テンプレートをタイムライン上の適切な位置にドラッグして配置。
- 例えば、イントロにタイトルテンプレート、シーン切り替えにトランジションテンプレートを使います。
- カスタマイズ
- テキストの編集: テンプレート内の文字をクリックし、タイトルやメッセージを変更。
- カラーの変更: テンプレート内のカラー設定を自分のブランドカラーやテーマに合わせる。
- サイズや配置の調整: テンプレートのエレメントを自由に移動して最適なバランスを取る。
初心者におすすめのテンプレートの種類
- タイトルテンプレート
- インパクトのあるオープニングや字幕挿入に最適。
- 例: 動画の冒頭にブランド名を表示するアニメーション付きタイトル。
- トランジションテンプレート
- シーンとシーンの切り替えをスムーズにするためのエフェクト。
- 例: フェードイン・フェードアウトやスライドエフェクト。
- ソーシャルメディア向けテンプレート
- TikTokやInstagram Reelsに特化したフォーマット。
- 例: テキストアニメーションや縦長フォーマットに対応したデザイン。
テンプレート活用時の注意点
- オリジナリティを忘れない
テンプレートをそのまま使うのではなく、自分らしいカスタマイズを加えて差別化を図りましょう。 - 動画のテーマに合わせる
テンプレートのデザインが動画のトーンやメッセージにマッチしているか確認してください。 - 過剰に使いすぎない
テンプレートを使いすぎると、動画が重たくなったり、視聴者が疲れる可能性があります。シンプルさを心がけましょう。
テンプレートをうまく活用することで、初心者でもプロレベルのショート動画を短時間で作成できます。少しずつカスタマイズに挑戦し、自分だけのスタイルを確立しましょう!
書き出しとSNS用の最適化
Premiere Proで編集したショート動画を公開するには、書き出し(エクスポート)とSNSごとの最適化が重要です。適切な書き出し設定をすることで、動画の画質や再生速度が維持され、視聴者に最適な状態で届けられます。以下では、初心者でも簡単に設定できる方法と、各SNSに最適なフォーマットについて詳しく説明します。
書き出しの基本設定
- 書き出し画面を開く
- ショートカットキー:Ctrl+M(Windows) / Cmd+M(Mac)
- または、メニューバーから「ファイル」→「エクスポート」→「メディア」を選択。
- フォーマットを選択
- H.264を選びます。このフォーマットは高画質を保ちながらファイルサイズを抑えられるため、SNSでの投稿に最適です。
- 出力名と保存場所を指定
- 「出力名」をクリックしてファイル名を入力し、保存先を選びます。
- プリセットの選択
- 「YouTube 1080p Full HD」や「Match Source – High Bitrate」など、用途に応じたプリセットを選ぶと、必要な設定が自動で反映されます。
- 解像度とアスペクト比の確認
- ショート動画用の縦長フォーマット(1080×1920、アスペクト比9:16)になっていることを確認します。
詳細な書き出し設定の調整
- ビットレートの設定
- 「ターゲットビットレート」を10 Mbpsに設定すると、画質を保ちながらファイルサイズを抑えられます。
- 高画質が求められる場合は16 Mbpsを推奨。
- フレームレートの確認
- 撮影や編集に合わせて30fpsまたは60fpsを選択。SNSでは30fpsが一般的ですが、スムーズな動きを強調したい場合は60fpsが効果的です。
- オーディオ設定
- 「AAC」フォーマット、サンプルレート48kHz、ビットレート320kbpsに設定すると、音声がクリアになります。
- エンコード設定の最適化
- 「レンダリング時に最大品質を使用」にチェックを入れて、エクスポート時の画質を向上させます。
SNSごとの最適化設定
- TikTok用の設定
- 解像度: 1080×1920(縦長フォーマット)
- フレームレート: 30fpsまたは60fps
- 最大動画サイズ: 287MB以下(15秒~1分動画推奨)
- 推奨形式: MP4
- Instagram Reels用の設定
- 解像度: 1080×1920
- フレームレート: 30fps(推奨)
- 最大動画長: 90秒以内
- 推奨形式: MP4(H.264コーデック)
- YouTube Shorts用の設定
- 解像度: 1080×1920
- フレームレート: 30fpsまたは60fps
- 最大動画長: 60秒以内
- 推奨形式: MP4またはMOV
書き出し後のチェックポイント
- 動画のプレビューを確認
書き出し後、必ず再生して音声と映像の同期、画質をチェックします。 - ファイルサイズの確認
SNSにアップロードする際、サイズ制限に収まっているか確認してください。 - SNSへのアップロード時に再エンコードが発生しないよう注意
各SNSの推奨設定に従うと、アップロード時に画質が劣化するリスクを防げます。
適切な書き出し設定をすることで、編集したショート動画をSNSで最高の状態で公開できます。特に縦長フォーマットやH.264コーデックなどの基本を押さえれば、どのSNSでもスムーズに対応可能です。まずは一度書き出し設定を試し、SNSごとの最適化に挑戦してみましょう!
まとめ
Premiere Proは、初心者でもプロレベルのショート動画を作れるツールです。本記事では、初期設定の重要性や編集の基本操作、SNS向けの書き出し方法を解説しました。
まずは、プロジェクトを作成して短い動画を編集してみましょう。テンプレートやショートカットキーを活用することで、効率的に作業を進められます。また、完成した動画をSNSに投稿し、実際の反応を見ながら改善を重ねることでスキルを磨いていけます。
Premiere Proを活用して、ショート動画作りを楽しみながら成長していきましょう!
【こちらもオススメ】
「ゼロから始める!Premiere Pro導入ガイド:後悔しないための情報まとめ」
「【Premiere Pro】初心者がつまずきやすい動画編集のポイント10選」
「動画編集を始める前に知っておきたい:専門用語解説とパソコン選びのポイント」