Adobe 動画編集の基礎

【Premiere Pro】初心者でも簡単にできる音声の改善テクニック

【Premiere Pro】初心者でも簡単にできる音声の改善テクニック

動画編集に慣れていない初心者にとって、映像だけでなく音声の編集にも気を配るのは大変な作業です。

ノイズが多かったり、音量のバランスが悪かったり、シーンの切り替えが不自然に感じられることは、動画全体のクオリティに影響を与えます。

しかし、Premiere Proの「エッセンシャルサウンドパネル」を使えば、初心者でも簡単に音声を改善できる機能が揃っています。

本記事では、初心者向けにPremiere Proでの音声改善テクニックを詳しく紹介し、音声に関する悩みを解決します。

 

ノイズが気になる?Premiere Proで簡単にノイズを除去する方法

 

「録音した音声に雑音や背景音が!どうしよう...」

 

Premiere Proには、簡単にノイズを取り除ける「エッセンシャルサウンドパネル」という機能があります。

このツールを使えば、録音時に発生する背景音やノイズを自動的に減らすことができます。

手順

  • エッセンシャルサウンドパネルを開く
    音声クリップを選択し、ウィンドウ > エッセンシャルサウンドを選択してパネルを開きます。
  • 音声の種類を「ダイアログ」に設定
    これにより、Premiere Proがその音声クリップを人の声として認識し、最適な処理ができるようになります。
  • ノイズ除去の設定
    「Repair(修復)」セクションの「Reduce Noise(ノイズ削減)」にチェックを入れ、スライダーで強度を調整します。推奨される初期値は50%で、そこから徐々に微調整しましょう。強くかけすぎると音声全体がこもってしまうことがあるため、適度なバランスを保つのが重要です。

ポイント

  • ノイズを除去するときは、雑音だけでなく、声そのものの質感も削られることがあります。ノイズ除去後は必ず再生して、声が自然に聞こえるか確認しましょう。
  • 背景音が完全に消えない場合でも、少し残すことでより自然な仕上がりになることが多いです。完全な無音よりも、環境音が少しある方が視聴者には違和感が少なくなります

 

BGMがうるさすぎる!話し声とのバランスを自動で調整する方法

 

「BGMが大きすぎて、話し声が聞き取りづらい」

 

BGMが声を圧迫するのを防ぐために、「オートダッキング」機能を活用します。

これにより、ナレーションや会話が始まると自動的にBGMの音量が下がります

手順

  • ナレーションとBGMを選択する
    タイムラインでナレーション(会話)とBGMのクリップを確認します。ナレーションには「ダイアログ」、BGMには「ミュージック」を設定します。
  • ダッキングの設定
    BGMのクリップを選択した状態で、エッセンシャルサウンドパネルの「ダッキング」を有効にします。「Sensitivity(感度)」と「Reduce by(音量を下げる量)」のスライダーを調整して、会話が始まるときにBGMが自然に下がるように設定します。

ポイント

  • ダッキング機能を使うときは、BGMの音量が話し声に応じて変化しすぎないようにしましょう。適度な音量変化にすることで、視聴者にとって自然な音の流れを作ることができます。
  • BGMが頻繁に上がったり下がったりすると、視聴者が集中しづらくなります。長時間のシーンでは、BGMの音量を一定に保つ方が好ましい場合もあります。

 

音量がバラバラで困る?簡単な音量調整テクニック

 

「動画全体の音量が一定でなく、一部が聞きづらい」

 

異なるクリップの音量がバラバラだと、視聴者に不快感を与えがちです。

Premiere Proでは、オーディオゲインや音量スライダーを使って音量を統一できます。

手順

  • オーディオゲインの調整
    音声クリップを右クリックし、「オーディオゲイン」を選択して音量を均一化します。
  • タイムライン上で音量を調整
    クリップの上に表示される白い線をドラッグして音量を調整できます。また、「エッセンシャルサウンドパネル」の「Auto Match」を使うことで、他のクリップと音量を自動で揃えることも可能です。

ポイント

  • 音量調整をするとき、クリップ全体の音量だけでなく、場面ごとのダイナミクス(音の強弱)も考慮しましょう。音量を均一にしすぎると、表現力が失われることがあります。強調したい部分は少し音量を上げ、静かなシーンは音量を控えめにするのが良いバランスです。
  • ノイズや他の要素を調整する前に、まず基本的な音量レベルを整えることで、編集がスムーズになります。

 

シーンごとの音の切り替えが不自然?スムーズな音声切り替えの方法

 

「もっと違和感なく切り替えられないかな~」

 

シーン間の音の不自然な切り替えを防ぐには、オーディオトランジションを使います。

音声が滑らかにフェードイン・フェードアウトして、違和感のない編集が可能です。

手順

  • オーディオトランジションを追加
    エフェクトパネルから「クロスフェード」を選び、音声クリップ間にドロップします。
  • フェードの長さを調整
    クロスフェードの長さを調整することで、音のつながりがより自然になります。シーンのタイミングに合わせて調整しましょう。

ポイント

  • クロスフェードの長さを決める際、映像の切り替えタイミングだけでなく、シーンの雰囲気やテンポも考慮しましょう。アクションシーンなどの切り替えでは短めのフェードが効果的ですが、ゆったりしたシーンでは長めのフェードがより自然です。
  • トランジションを適用した後、再生して聞いた感覚が不自然であれば、トランジションの長さや音量調整を微調整しましょう。

 

音声がこもっている?明瞭な音声にするためのEQ調整の使い方

 

「なんかモゴモゴしてる。もっとクリアにしたい!」

 

こもった音声は聞きづらく、視聴者に不快感を与えます。

エッセンシャルサウンドパネルの「EQプリセット」を使って、音声をクリアにすることができます。

手順

  • EQプリセットを使う
    エッセンシャルサウンドパネルの「クリーンアップ」プリセットを選び、低音をカットして高音を強調します。これにより、こもりを軽減し、声がより明瞭になります。

ポイント

  • EQを使うときは、高音域を強調しすぎないように注意しましょう。高音を上げすぎると、音が耳障りに感じられることがあります。特に視聴者がヘッドホンで視聴する場合には、バランスを考えた微調整が重要です。
  • プリセットを使用する場合も、そのままにせず、音声を再生しながら微調整して、自分の映像に最適なバランスに仕上げましょう。

 

もっと高度な音声編集に挑戦したい?Auditionでできること

 

「もっと音声の細かい調整がしたい!」

 

Premiere Proのエッセンシャルサウンドパネルは非常に便利ですが、もっと詳細な音声編集が必要な場合や複雑な音声問題に対処する際には、Adobe Auditionが役立ちます。

Auditionは、特にオーディオのプロフェッショナルが使う、より高度な機能を持つ専用の音声編集ツールです。

ここでは、AuditionでできるPremiere Proにはない特徴的な機能をいくつか紹介します。

Auditionの主な特徴

  1. 詳細なノイズ除去
    Premiere Proでは「ノイズ除去」のスライダーでノイズを軽減できますが、Auditionでは「スペクトルノイズ除去」などを使い、特定の周波数帯域に存在するノイズをビジュアル的に選択して取り除くことができます。これにより、特定の音だけを選んで編集したり、バックグラウンドノイズをより精密に除去することが可能です​。
  2. マルチトラック編集
    Premiere Proでもオーディオトラックを複数使用できますが、Auditionではより高度なマルチトラック編集が行えます。各トラックに対して異なるエフェクトを適用したり、複数の音源をタイムライン上で効率的に管理できるため、複雑な音声構成やプロジェクトに対応できます。
  3. リバーブやエコーの調整
    Auditionには、音声に深みや空間を与えるための高度な「リバーブ」や「エコー」調整機能があります。例えば、Auditionではリバーブの特性をより細かく制御し、ナレーションやインタビューなどの声に不要なエコーを除去しつつ、自然な響きを残すことが可能です​。
  4. ダイナミクスの細かな調整
    Auditionでは、コンプレッサーやリミッターを使って、音量の強弱を精密にコントロールできます。これにより、音声が急に大きくなったり小さくなったりすることを防ぎ、一貫性のあるプロフェッショナルな音声が得られます。Premiere Proにも同様の機能はありますが、Auditionの方が細かいパラメーター設定が可能です。
  5. サラウンドサウンドのサポート
    Auditionはサラウンドサウンド(5.1チャンネルや7.1チャンネル)の編集もサポートしており、映画やゲームのオーディオ制作など、より高度なプロジェクトに適しています。これにより、視聴者に臨場感を与える立体的な音響効果を作成できます。

Premiere ProとAuditionの違い

  • Premiere Pro
    基本的な映像編集のためのツールで、音声も一定レベルまで編集可能。
    音量の調整、ノイズ除去、BGMのバランス調整など、映像と一緒にシンプルな音声編集を行うのに適しています。
  • Audition
    音声編集に特化したツールで、より高度で詳細な編集が可能。
    ノイズの種類ごとに異なる処理を施す、マルチトラックで複雑なサウンドデザインを行うなど、プロフェッショナル向けの機能を豊富に備えています。

ポイント

  • Auditionを使用する際は、まずPremiere Proで基本的な編集(音量調整や簡単なノイズ除去など)を済ませ、その後、より細かい音声調整が必要な部分だけをAuditionに移行すると作業が効率的です。Auditionに送り込んだ音声はPremiere Proに戻すことができるので、統合的なワークフローが可能です​。

便利なプラグインも試してみたい!音声改善に役立つツール紹介

 

「Premiere Proだけでは解決できない音声問題がある」

 

Premiere Proでできない音声処理には、プラグインを活用するのも一つの手です。

以下は音声改善に役立つプラグインの例です。

プラグイン例

  1. iZotope RX:高度なノイズ除去や音声修復に特化したツールで、細かいノイズも消せます。
  2. CrumplePop:オーディオトラックに自然な質感を残しつつノイズを除去します。

ポイント

  • プラグインを導入する前に、まずPremiere Pro標準の機能でどこまで対応できるかを確認しましょう。特にiZotope RXなどのプラグインは非常に強力ですが、標準機能で十分な結果が得られる場合も多いです。
  • 有料プラグインを導入する前に、無料の試用版を使って、自分の編集スタイルに合うかどうかを確認するのが賢明です

まとめ:音声のクオリティを上げて、より良い動画を作ろう!

音声改善は、Premiere Proの「エッセンシャルサウンドパネル」を使えば初心者でも簡単に行えます。

ノイズ除去やBGMと音声のバランス調整、シーン間のスムーズな切り替えを行うことで、動画のクオリティは大幅に向上します。

最初は難しく感じるかもしれませんが、今回紹介したテクニックを使えば、誰でもプロフェッショナルな音声編集が可能です。

もしまだPremiere ProやAdobe Auditionをお持ちでない方は、Adobeの公式サイトから無料体験版を利用して、これらの強力なツールをぜひ試してみてください。音声編集に対する自信が格段にアップすること間違いありません!

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