「iMovieでは物足りなくなってきた」「もっと本格的な動画編集をしてみたい」
そんなふうに感じ始めて、Premiere Proへの乗り換えを考えていませんか?
でも…
画面が複雑すぎて何がなんだかわからない
操作方法が全然違って戸惑う
自分に使いこなせるのか不安…
こう思って手が止まっている人は少なくありません。
でも安心してください。Premiere Proはプロ向けのツールでありながら、基本操作さえ押さえれば初心者でも十分使いこなせるソフトです。
この記事では、iMovieユーザーがPremiere Proへ迷わずスムーズに移行するための完全ガイドをお届けします。
「違いは何か?」「今までのやり方はどう変わるのか?」「まず何から始めればいいのか?」を一つずつ解決していきましょう。
この記事でわかること
iMovieとPremiere Proの違いがわかる
よく使う操作の「対応表」で迷わず移行できる
Premiere Proで最初に覚えるべき機能を厳選紹介
快適に始めるためのおすすめ初期設定
無料体験の始め方と注意点
iMovieとPremiere Proの違いを比較しよう
比較項目 | iMovie | Premiere Pro |
---|---|---|
価格 | 無料(Mac標準) | 年間プラン(無料体験あり) ・月々払い→3,280円(税込)/月 ・一括払い→34,680 円(税込)/年 |
操作性 | シンプル、直感的 | 高機能だが複雑 |
機能 | 基本的な編集のみ | 細かい制御・合成・エフェクトなど多機能 |
対応OS | macOS / iOS | macOS / Windows |
書き出し | 基本プリセットのみ | 高度な設定、各SNS対応プリセット |
ポイント
iMovieは「手軽に編集したい人向け」、Premiere Proは「より本格的にやりたい人向け」。
乗り換える価値は、表現の自由度・将来性・仕事への応用力にあります。
iMovieでよく使う操作をPremiere Proではどうやる?対応表で解説
操作内容 | iMovieでのやり方 | Premiere Proでのやり方(2025年版) |
---|---|---|
動画のカット | クリップを選んで範囲を縮める | レーザーツール(C)で分割 |
トリミング | 両端をドラッグ | 選択ツール(V)で端をドラッグ、またはリップルツール(B)で詰める |
テロップの追加・編集 | タイトル挿入→テキスト入力 | テキストツール(T)→プロパティパネルで編集 |
BGMの挿入 | 音楽をドラッグ&ドロップ | オーディオファイルを読み込み→タイムラインの音声トラックへ配置 |
音量の調整 | 波形の線を上下に動かす | タイムラインで音量ラインをドラッグ、またはオーディオゲイン設定 |
フェードイン・フェードアウト | クロスディゾルブや音量調整 | クロスディゾルブを適用 or キーフレームで音量変化をつける |
書き出し | 共有→YouTubeなど選択 | ファイル→書き出し→メディア(H.264→YouTube 1080p推奨) |
各操作の詳細解説
動画をカット(必要なところだけ残す)
Movieでは…
動画の前後をドラッグして短くしていたと思います。
Premiere Proでは…
動画の好きな位置で「分割」するという考え方です。
やり方
タイムライン上の動画を選択
キーボードの「C」を押すと「カミソリツール(カットする道具)」に切り替わる
分けたい場所をクリック
いらない部分を選んでDeleteキーで削除
ポイント:最初に「C」で切って「V」に戻す(選択ツール)というのが基本の流れです。
動画をトリミング(前後を少しだけ削る)
iMovieでは…
クリップの端をドラッグするだけでしたよね。
Premiere Proでも同じです!
選択ツールで、クリップの端をドラッグするだけでOKです。
やり方
「V」ツールを選択(またはCのあとにVを押す)
動画の端にカーソルを合わせると矢印が変わる
そのまま左右にドラッグして長さを調整
コツ:編集していく中で「少し長すぎたかも」と思ったら、いつでもトリミングできます。
テロップの追加・編集(2025年最新版)
iMovieでは…
決まったスタイルのタイトルから選んで、文字を打ち込んでいましたよね。
Premiere Proでは、もっと自由に文字が入れられます。
やり方
ツールバーから「T(テキスト)」を選択
プログラムモニター上(再生画面)をクリック
キーボードで文字を入力
「プロパティパネル」で、フォント・サイズ・色などを自由に変更
補足:テロップは「動画の上に乗せる」感覚です。タイムライン上では「映像より上のレイヤー(V2など)」に配置されます。
注意
旧来の「エッセンシャルグラフィックス」パネルは2025年版では廃止され、「プロパティパネル」と「グラフィックテンプレートパネル」に分割されています。詳しくは「Premiere Pro エッセンシャルグラフィックス廃止!初心者にもわかる新パネル解説」で解説しています。
BGMの挿入
iMovieでは…
音楽ファイルを下にドラッグするだけでしたね。
Premiere Proも基本は同じです。
やり方
音楽ファイルをプロジェクトに読み込む(⌘I で読み込み)
タイムラインの「音声トラック(A1やA2)」にドラッグ&ドロップ
音量を調整する(BGMが大きすぎる時など)
Premiere Proでは、音の大きさを線で調整できます。
やり方
タイムライン上の音声クリップに注目すると、真ん中に「白い線」があります
その線を上下に動かすことで、音量を上げたり下げたりできます
さらに細かく調整したい場合は「エフェクトコントロール」から「キーフレーム」を使うと、音の上げ下げを時間で調整できます(慣れてからでOK)
フェードイン・フェードアウト(映像・音声のなめらかな切り替え)
iMovieでは…
動画や音声の端を自動的に丸めて、自然に始まったり終わったりさせる機能がありましたよね。
Premiere Proでも、映像・音声どちらも「フェード」させる方法がちゃんとあります。
ただ、映像と音声で少しやり方が違うので、順番に解説します。
◆映像のフェードイン・フェードアウト(暗く始まって、暗く終わる)
やり方
タイムライン上の映像クリップを選択
左の「エフェクトパネル」から「ビデオトランジション」→「ディゾルブ」→「クロスディゾルブ」を探す
それを映像クリップの先頭 or 最後にドラッグして適用
「クロスディゾルブ」は一番よく使われる映像フェードの効果です。
再生してみると、ゆっくり明るくなったり暗くなったりします。
◆音声のフェードイン・フェードアウト(BGMやセリフを自然に)
方法①:エフェクトを使う(初心者向け)
「オーディオトランジション」→「コンスタントゲイン」を選ぶ
音声クリップの先頭 or 最後にドラッグして適用
これだけで、音がスッと出てスッと消えるようになります。
方法②:手動でキーフレームを使う(慣れてきた人向け)
音声クリップの白い線(音量ライン)を表示
Ctrl(またはCommand)キーを押しながらクリックして「点(キーフレーム)」を打つ
点を上下に動かして、時間をかけて音が上がる/下がるように調整
この方法は、映像に合わせて音の入り方・消え方をもっと細かくコントロールしたいときに便利です。
書き出し(エクスポート)
iMovieでは…
「共有」→「ファイルに保存」で終わりでしたね。
Premiere Proでは「書き出し」と呼びます。
やりかた
メニュー「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を選択
書き出し形式は「H.264」を選択(これがいちばん汎用性高い)
プリセットは「YouTube 1080p Full HD」など目的に合わせて選ぶ
保存先とファイル名を設定して「書き出し」をクリック!
iMovieと違って書き出しの設定項目が多いですが、最初はプリセットにおまかせでOKです。
iMovieユーザーが最初に覚えるべきPremiere Proの基本機能
Premiere Proの画面構成(ワークスペース)を理解しよう
Premiere Proを初めて開いたとき、iMovieユーザーがまず戸惑うのが「画面がごちゃごちゃしてる!」ということ。
Premiere Proでは、編集作業を効率化するために**複数の“パネル”が配置された「ワークスペース」**が用意されています。
iMovieと違って、素材を管理する場所、編集する場所、仕上がりを確認する場所などが分かれているのが特徴です。
よく使う5つのパネル(編集ワークスペース)
ここでは、iMovieユーザーに必要な最小限の構成を解説します。
「編集」ワークスペースを選んだときに表示される、5つの基本パネルを押さえておけばOKです。
パネル名 | 役割 | iMovieでの感覚 |
---|---|---|
①プロジェクトパネル | 素材(動画・画像・音楽など)を管理する | メディアブラウザ |
②プログラムモニター | タイムラインの編集結果を確認する | プレビュー画面(完成形) |
③ソースモニター | タイムラインに入れる前の素材をプレビューする | プレビュー画面(素材単体) |
④プロパティパネル(2025年~) | テキストや画像など、選択中の要素の詳細編集ができる | 高度なオプション(iMovieにはなし) |
➄タイムラインパネル | 動画編集のメイン作業場。素材を並べる | 下の編集スペース |
よくある戸惑いと対処法
パネルが消えた/動かしてしまった
→ 上部メニュー「ウィンドウ」→「ワークスペース」→「保存されたレイアウトにリセット」使わないパネルが邪魔
→ パネル右上の「×」で非表示にしてOK。あとで再表示も可能
ワークスペースの切り替え&カスタマイズ
Premiere Proでは、「カラー補正」「音声編集」「エフェクト」など目的に応じたワークスペースに切り替えることもできます。
上部タブまたは「ウィンドウ」→「ワークスペース」から選択
自分用にレイアウトを変更して「新規ワークスペースとして保存」も可能
タイムラインのレイヤー構造
iMovieを使っていた人にとって、Premiere Proのタイムラインはちょっと不思議に見えるかもしれません。
「なんで動画の下に音声が分かれてるの?」「この“V1”とか“A1”って何?」って思いますよね。
でも大丈夫。Premiere Proのタイムラインは、動画・画像・音声・テロップなどを自由に重ねて編集できる“レイヤー構造”になっているんです。
レイヤーってなに?
レイヤーは、「重ねて置ける透明なシート」のようなもの。
たとえば
V1(ビデオ1)にはメインの映像
V2にはテロップ(文字)
V3には装飾用の画像やエフェクト
A1(オーディオ1)には元の映像の音声
A2にはBGM
A3には効果音
…というふうに、目的別にレイヤーを分けて使うことで、編集がとても自由になります。
iMovieとの違い
比較項目 | iMovie | Premiere Pro |
---|---|---|
トラック数 | 基本は1本ずつ(動画、音声) | 無限に追加できる |
テロップの位置 | 決まった場所にしか表示できない | 映像の上に自由に配置可能 |
音声の扱い | 動画と一体化しがち | 映像とは別に個別調整できる |
具体例:Vlog動画を作る場合
タイムラインでの見え方
基本的な編集操作
素材のインポート
「ファイル」→「読み込み」またはプロジェクトパネルで右クリックして「読み込み」を選択。
対象のメディアファイルを選択してインポート。
カット(分割)
タイムライン上でクリップを選択。
ツールバーから「レーザーツール(C)」を選択。
分割したい位置でクリック。
トリミング
「選択ツール(V)」でクリップの端をドラッグして長さを調整。
「リップルツール(B)」を使用すると、トリミング後に自動で後続のクリップが詰められます。
テキストの追加・編集
ツールバーから「テキストツール(T)」を選択。
プログラムモニター上でクリックしてテキストを入力。
「プロパティパネル」でフォント、サイズ、色などを調整。
音量の調整
タイムライン上のオーディオクリップの白いラインを上下にドラッグして音量を調整。
詳細な調整は「オーディオゲイン」や「キーフレーム」を使用。
書き出し(エクスポート)
「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を選択。
「形式」を「H.264」に設定。
「プリセット」から「YouTube 1080p Full HD」などを選択。
出力名と保存先を指定して「書き出し」をクリック。
Premiere Pro独自の便利機能
キーフレームアニメーション
クリップの位置、スケール、不透明度などを時間経過で変化させることができます。「エフェクトコントロールパネル」で設定可能です。
Lumetriカラー
高度なカラーグレーディングツールで、色調補正やルックの適用が直感的に行えます。「カラー」ワークスペースで利用できます。
ネストシーケンス
複数のクリップを一つのシーケンスにまとめて、複雑な編集を整理できます。これにより、タイムラインがすっきりし、編集効率が向上します。
初心者でも安心!Premiere Proを快適に使うためのおすすめ設定
Premiere Proはプロ仕様のソフトだけあって、最初の設定のままだと「どこをどう見ればいいの?」と混乱することも。
ここでは、初心者がストレスなく作業できるように、まず最初に設定しておきたいポイントを詳しく紹介します。
ワークスペースは「初期設定(Default)」にしておこう
Premiere Proには「ワークスペース」という、作業画面のレイアウトをまとめたモードが用意されています。
初心者のうちは、「初期設定(Default)」を使えば、必要最低限のパネルだけが整理されて表示されているため安心です。
設定手順
上部メニュー「ウィンドウ」→「ワークスペース」→「初期設定(Default)」を選択
画面右上に表示されるタブで「初期設定」を選ぶ
レイアウトが崩れたら「保存されたレイアウトにリセット」で元に戻せます
Premiere Proには「編集」「カラー」「オーディオ」など用途別に最適化されたワークスペースも多数用意されています。
慣れてきたら、自分の作業スタイルに合ったワークスペースを選んだり、よく使うパネルだけを表示するようにカスタマイズして、オリジナルのワークスペースを作成するのもおすすめです。
プレビュー再生が重いときは「1/2」画質に切り替える
Premiere Proでは、動画のプレビュー(再生)時にPCに大きな負荷がかかります。
「プログラムモニター」の右下にある再生画質設定を「1/2」や「1/4」に下げることで、サクサク動作させることができます。
設定手順
プログラムモニターの右下にある「再生解像度」をクリック
「1/2」または「1/4」に設定
(※これは画質が下がるわけではなく、編集中のプレビュー時だけの話です)
オートセーブ間隔は「5分ごと」に変更しておこう
Premiere Proは非常に安定していますが、まれにクラッシュすることもあります。
自動保存(オートセーブ)の設定を10分→5分に変えることで、編集中のデータ消失リスクを最小限にできます。
設定手順
「Premiere Pro」→「環境設定」→「自動保存」
「保存間隔:10分ごと」の設定を「5分ごと」に変更
バックアップの保存数も10〜20くらいにしておくと安心
プロジェクトの保存先はきちんと整理しておく
Premiere Proでは、動画の「素材」や「編集の途中データ」「書き出した完成動画」など、いろいろな種類のファイルを扱います。
何も考えずに保存していると、
「あれ?素材どこいった?」「この動画、編集前?編集後?」と、すぐに迷子になります。
そんな事態を防ぐために、最初にフォルダを分けておくことがとても大切です。
おすすめの保存フォルダ構成(例)
まず、1つの動画編集ごとに「プロジェクト用のフォルダ」を作りましょう。
フォルダの中はこんな感じにしておくと整理しやすいです。
フォルダ構成
旅行Vlog_2025/
├── 01_project/ → 編集の元データ(Premiere Proのファイル .prproj)
├── 02_footage/ → カメラやスマホで撮った動画・画像・音声素材
├── 03_export/ → 書き出した完成動画
フォルダ名の頭に「01」「02」と番号をつけると順番がわかりやすいです。
フォルダごとコピーすれば、他のパソコンに移してもすぐに作業再開できます。
なぜ整理しておくべき?
Premiere Proは、素材(動画や音楽)をフォルダの場所とセットで記憶しています。
だからファイルを後から移動したり、削除したりすると「リンク切れ」といって読み込めなくなってしまうんです。
編集をスムーズに進めるためにも、「使う素材はこの中に全部まとめてあるよ」と、Premiere Proが迷子にならないようにしてあげるのがコツ。
よく使うショートカットを覚えて効率アップ
Premiere Proでは、ショートカットキーを使いこなすことで作業スピードが一気に上がります。
最初からすべてを覚える必要はありませんが、よく使う基本操作だけでも知っておくとストレスが激減します。
Windows | Mac | |
プロジェクト新規作成 | Ctrl + Alt + N | Opt + Cmd + N |
シーケンス新規作成 | Ctrl + N | Cmd + N |
再生ヘッドより前の部分をリップルトリミング | Q | Q |
再生ヘッドより後ろの部分をリップルトリミング | W | W |
リップル削除 | Shift + Delete | Shift + 前方削除 |
再生ヘッドを1フレームずつ移動 | ← → | ← → |
再生ヘッドを10フレームずつ移動 | Shift + ← → | Shift + ← → |
クリップを1フレームずつ移動 | Ctrl + ← → | Cmd + ← → |
タイムラインのズームイン&ズームアウト | alt + マウスホイール | Opt + マウスホイール |
デフォルトのトランジションを適用 | Shift + D | Shift + D |
ポイント
慣れてきたらキーボードショートカットのカスタマイズで自分好みにすることもできます。
Premiere Proを無料で試してみよう【まずは触ってみるのが一番!】
「使ってみたいけど、月額は高いし、もし自分に合わなかったらどうしよう…」
そんな人にこそ知っておいてほしいのが、Premiere Proの「7日間無料体験」です。
おすすめポイント
無料体験中でもすべての機能が使えるので、じっくり本格的な編集を試せます
iMovieとの違いを実際に操作しながら体感できるのが最大のメリット
「ちょっと難しそうだけど興味はある」という人ほど、“まずは触ってみる”ことが一番の近道
触ってわかることが、たくさんあります。
7日間あれば、自分に合うかどうかは十分に判断できます。
まとめ|iMovieからのステップアップは思ったよりも身近です
iMovieとPremiere Proは、見た目も機能もかなり違います。
でも、どちらも「動画をつくるための道具」であることに変わりはありません。
Premiere Proはたしかに多機能ですが、最初に覚えるべき操作はほんの一部だけ。
ひとつずつ慣れていけば、自然と「できること」が増えていきます。
ポイント
iMovieではできなかった編集ができるようになる
クオリティの高い動画をつくれるようになる
将来的に仕事に活かせるスキルとして育てていける
iMovieを使いこなしてきたあなたなら、Premiere Proもきっと大丈夫。
「わからない」ではなく「知らなかっただけ」──
そのモヤモヤを、この記事で少しでも解消できていたらうれしいです。