はじめての動画編集 編集テクニック

Premiere Proで起きる音ズレ現象の対処法まとめ|症状別に解説

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Premiere Proで起きる音ズレ現象の対処法まとめ

Premiere Proで動画を編集中、または書き出してみたら「なんか音と映像がズレてる…?」と感じたこと、ありませんか?

  • タイムライン上ではちゃんと合っていたのに、再生してみたらズレてる

  • 編集は問題なかったのに、書き出したファイルでズレが起きていた

  • 時間が経つにつれて、音と映像のタイミングがどんどんズレていく

こうした“音ズレ問題”は、Premiere Proで編集をしていると、特定の条件下で誰でも遭遇する可能性のあるトラブルです。でも、安心してください。原因を正確に理解して、Premiere Proで適切な対処をすれば、ちゃんと直せます。

この記事では、「音ズレのよくある症状ごと」に対処方法を紹介しながら、初心者でもわかるように、操作手順を丁寧に解説します。専門用語も噛み砕いて説明するので、今まで「よく分からないままなんとなくごまかしていた」という方も安心して読み進めてくださいね。

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よくある音ズレの症状と対処の方向性

まずは、「Premiere Proで起きやすい音ズレ」の代表的な症状を紹介します。自分がどのパターンに当てはまるか、ざっくり把握してみましょう。

よくある音ズレの症状4パターン

症状よくある場面対処の方向性
タイムラインでは正常、プレビュー再生でズレる編集中の再生で音が遅れる/早まるプレビュー設定やPC負荷を見直す
編集時は正常だが、書き出した動画でズレる出力ファイルでだけ音がズレてる書き出し設定・fps/kHzを確認
長尺動画で後半になるとズレが大きくなる10分以上の動画などで顕著fps誤差の蓄積、ミリ秒調整
音だけ別録音でタイミングが合ってない映像と外部録音を合わせたい波形を使って手動同期
可変フレームレート(VFR)素材を使っていて編集中にズレるスマホやゲーム録画から読み込んだ素材可変フレームレート(VFR)の判別+固定フレームレート(CFR)化(変換)を行う

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【症状別】Premiere Proでの直し方ガイド

症状①:プレビュー再生で音ズレが発生する

どういう状態?

  • タイムラインでは合っているのに、再生ボタンを押すと音が早い/遅い

  • でも書き出すとズレていない

考えられる原因

  • プレビュー時にPCが処理を追いつけず、音と映像の再生がズレて聞こえることがあります。

対処法(Premiere Pro内でできる)

  1. プログラムモニター右下の設定から再生解像度を「1/2」や「1/4」に変更

  2. 必要に応じて、プロキシを作成して軽量編集モードに切り替える(クリップを右クリック→「プロキシ」→「プロキシを作成」)

  3. 書き出して確認。ズレがなければそのままでOK!

用語解説:プロキシ編集
元の高画質ファイルの代わりに、軽量な映像ファイルを使って編集作業を軽くする方法。書き出し時には自動で元の高画質映像に戻るので、画質の劣化はなし。

症状②:書き出し後の動画で音ズレが発生

どういう状態?

  • 編集中の再生では問題ない

  • 書き出し後のMP4などで音と映像が合っていない

考えられる原因

  • 書き出し時のフレームレートサンプリングレートが素材やプロジェクトと一致していない

  • コーデック(音声圧縮の方式)による遅延も起きがち

用語解説:フレームレート(fps)
動画は、たくさんの静止画(フレーム)を1秒間に何枚再生するかで「動き」を表現しています。この1秒あたりのフレーム数を「フレームレート」と呼び、たとえば30fpsなら1秒間に30枚の画像が表示されます。フレームレートが素材ごとに異なると、動画編集ソフトが映像と音のタイミングをうまく合わせられなくなり、少しずつ音ズレが起きることがあります

用語解説:サンプリングレート(kHz)
音声はアナログの波を、デジタルとして記録するために「一定の間隔で音の波を測る」必要があります。この1秒間に何回その波を記録するかを表すのが「サンプリングレート」です。単位はキロヘルツ(kHz)で、たとえば48kHzなら、1秒間に48,000回音を記録していることになります。
Premiere Proなどの動画編集ソフトでは、一般的に48kHzが標準とされています。一方、音楽用のソフトや録音機器では44.1kHzが使われることも多く、異なるサンプリングレートの音声を混在させると、音ズレの原因になることがあります。

用語解説:コーデック
「コーデック」は、「Compressor/Decompressor」の略で、動画や音声のデータを圧縮・再生するための仕組みやルールのことを指します。たとえばMP4やMOVといったファイル形式の中には、さまざまなコーデックが使われており、それによって画質や音質、ファイルサイズ、再生のスムーズさが変わってきます。
Premiere Proで動画を書き出すときに、どのコーデックを使うかによって、映像と音のズレが生じることがあります。特に圧縮が強いコーデック(例:H.264など)では、音声がわずかに遅れて再生されることがあるため、注意が必要です。

対処法

  1. 「ファイル」→「書き出し」→「メディア」で書き出し設定を開く

  2. フレームレートを「29.97fps」や「30fps」など、プロジェクトと同じに設定

  3. 「オーディオ」タブでサンプルレートを「48000 Hz」に統一

  4. 「ビデオ」タブで「フレームを常に再サンプル」にチェック

  5. 書き出して再確認。ズレが直っていれば成功!

 

症状③:長尺動画で徐々にズレてくる

どういう状態?

  • 冒頭は合っているのに、時間が経つとズレが大きくなる

  • 10分以上の映像で発生しやすい

考えられる原因

  • fpsやkHzの微妙な違いが蓄積されてズレが大きくなる

対処法

  1. 書き出し設定とプロジェクト設定が一致しているか確認(fps、kHz)

  2. タイムラインでズレが目立つ位置に移動

  3. 波形を頼りに、音声クリップを数フレーム後ろ/前に手動でずらす

  4. 細かく調整したいときは、タイムライン上で右クリック →「オーディオ時間単位を使用」をオンにし、ミリ秒単位で調整

症状④:音だけ別録音でタイミングが合わない

どういう状態?

  • カチンコや手拍子を使って録画したが、後で音声ファイルだけを別に読み込んだ

  • 映像と音の「同期」がうまくいかない

対処法

  1. 映像クリップと別録音の音声クリップをタイムラインに並べる

  2. 両方の波形(音の形)を拡大表示し、手拍子などのピークを目印に手動で合わせる

  3. 映像側の音声をミュート or 削除

  4. 必要に応じてスリップツール(Yキー)で微調整

症状⑤:可変フレームレート(VFR)素材による同期ズレ(編集中にズレを感じる)

🔍 どういう状態?

  • スマホやゲーム録画素材をタイムラインに置くと、編集中に映像と音のズレを感じる

  • 他の編集ソフトではズレないケースもある

起きる原因

動画というのは、実は「静止画をパラパラ漫画のように素早く切り替える」ことで、動いて見える仕組みになっています。この1秒間に切り替わる画像の枚数を「フレームレート」と呼びます。たとえば30fps(フレームパーセカンド)であれば、1秒間に30枚の画像を見せているという意味です。

ここで問題になるのが、「可変フレームレート(VFR)」という録画方式です。

スマホやゲーム録画などで使われているこの方式は、シーンによってフレーム数を変えるという工夫をしています。たとえば、動きが激しいシーンでは60fps、静かな場面では20fpsといった具合に、自動で切り替えて記録されるのです。

この仕組みは、録画ファイルの容量を節約できるというメリットがありますが、動画編集ソフトで扱うにはやっかいです。

Premiere Proなどの編集ソフトは、フレーム数が常に一定である「固定フレームレート(CFR)」の素材を前提に音と映像のタイミングを合わせて処理しています

しかしVFR素材では、時間によってフレーム数が微妙に変わるため、「映像と音が同じ時間を進んでいる」ように見えても、内部では少しずつズレてしまい、再生時に違和感が出るのです。

つまり、映像の“テンポ”が部分的に変わってしまっているため、音と映像のずれが生まれる、というのがこの現象の正体です。

VFR素材かどうかを確認する方法

  1. Premiere Proのメディアブラウザで素材の上で右クリック →「プロパティ」を選ぶ

  2. 「Frame Rate」に「Variable」や「可変」という表記がある場合、それがVFR素材です

  3. または、HandBrakeなどの変換ソフトで「Variable Framerate」と表示されるかどうかでも判断できます

対処法:VFR→CFRに変換する

可変素材はPProに読み込む前に固定フレームレート(CFR)に変換するのが最も有効です。以下はその具体手順

  1. 無料ソフト「HandBrake」をインストール(公式サイトでダウンロード)

  2. HandBrakeを起動 → 「Open Source」で該当動画を読み込む

  3. 画面右のPresetで「Fast 1080p30」などを選択

  4. 「Video」タブで

    • Framerateを素材と同じ値に設定(例:30fps)

    • Constant Framerate(固定フレームレート)を必ず選択

  5. 出力先を選んで「Start Encode」をクリック

  6. 変換済み動画をPremiereに読み込み、旧素材に差し替える

    • 固定フレームレート(CFR)に変換した素材をPremiereに読み込む

    • プロジェクトパネルで、旧素材のファイルを右クリック →「プロジェクト内のフッテージを置き換え」を選択

    • 変換後の固定フレームレート(CFR)動画を選ぶ

    • タイムライン上のすべての該当箇所が自動で置き換わる(編集のやり直しは不要)

 

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まとめ:音ズレは「なぜ起きたか」に気づけば、ちゃんと直せる

Premiere Proでの音ズレトラブルは、初心者にとって特に混乱しやすい問題です。でも、心配はいりません。原因に合った対処法をとれば、ズレはきちんと直すことができます。

ここでもう一度、この記事の内容をシンプルに振り返っておきましょう。

よくある音ズレの原因と、それに効く対処法

よくある症状主な原因対処法の例
プレビューだけでズレるPC負荷・再生解像度再生解像度を下げる、プロキシを使う
書き出し後にズレるfps/kHz不一致、圧縮書き出し設定の見直し(fps/kHz統一)
長時間動画で徐々にズレる微差の蓄積波形を見てミリ秒単位で微調整
音声を別録音してズレる同期作業の不足手拍子や波形を使って手動同期
VFR素材でズレる可変フレームレートHandBrakeでCFRに変換して差し替え

この記事の使い方

  • まずは、自分がどの症状に当てはまるかを確認

  • 記事内の該当セクションを読みながら、対処手順を試す

  • うまくいかなかった場合も、焦らず別の原因を探してみる

音と映像のズレは、編集をしているときに気づきにくく、あとから発覚する厄介な問題です。でも、一つひとつの原因を知って、対応策を覚えておけば、次に同じようなトラブルが起きたときにも落ち着いて対処できるはずです。

ぜひ、この記事の内容を参考にしながら、自分の症状に合った解決方法を試してみてください。

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