動画編集を始めたばかりのとき、こんなモヤモヤを感じたことはありませんか?

「保存形式ってなんでいろいろあるの?」

「MP4とMOVってなにが違うの?どれを選べばいいかわからない!」
知らなくても編集はできるけれど、ファイル形式を理解しておくと、動画のクオリティも作業の快適さもグッと上がります。
この記事では、初心者の方にもわかりやすい言葉で、動画ファイル形式の基礎と選び方を丁寧に解説していきます。
時間がない人向けに「これだけ知っておけばOK!」なポイントも最初にまとめましたので、ぜひ活用してください!
これだけ知っておけばOK!動画ファイル形式3つの基本
① MP4が基本!迷ったらこれでOK
軽くて扱いやすく、スマホ・パソコン・SNSなど、ほぼすべての環境で再生・編集できる形式です。
編集や投稿がスムーズで、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
MP4は「どこでも再生できる、どこでも使える」オールラウンドな形式。高画質すぎず低画質すぎず、ファイルサイズと画質のバランスに優れた形式なので、最初に覚えておくべき定番といえます。
② カメラによって保存形式が違う
スマホはMP4やMOV、一眼レフやビデオカメラではAVCHDやXAVC Sなどが使われることがあります。
「ファイル名がいつもと違う」と感じたら、それはカメラによる保存形式の違いかもしれません。
撮影に使った機材によって、保存されるファイル形式は異なります。たとえば、iPhoneはデフォルトでMOV形式、一眼レフはAVCHD(.MTS)など、形式ごとの特徴があるため、同じ“動画”でも形式が違って当然なんです。
③ファイル形式で「画質・容量・編集しやすさ」が変わる
高画質な形式はファイルサイズが大きく、編集に時間がかかることもあります。
軽い形式は画質をある程度圧縮しており、手軽に扱えるのが特徴です。
形式によって、ファイルの扱いやすさや見た目の美しさが変わります。高画質を優先するか、編集や共有のしやすさを優先するかで、適切な形式の選び方は変わってくるのです。
このあとは、それぞれのポイントについてもう少し詳しく解説していきます。
「自分にとってどの形式が合っているのか」を知りたい方は、ぜひこのまま読み進めてみてください。
ファイル形式ってなに?初心者向けにやさしく解説
動画ファイルの形式には“構造”があります。
ここでは、その中身がどうなっているのかをやさしく説明します。
ファイル形式の構造は「箱+中身」でできている
動画ファイルには、大きく2つの要素があります。
コンテナ(Container)
映像・音声・字幕など、複数のデータを1つにまとめる“箱”
→ 例:MP4、MOV、AVIなどコーデック(Codec)
映像や音声のデータを圧縮・展開する技術
→ 例:H.264(AVC)、H.265(HEVC)、ProResなど
たとえるなら…
コンテナは「お弁当箱」
コーデックは「食材の保存方法(冷凍、真空パック、詰め方)」のようなもの
つまり、「同じMP4(お弁当箱)でも中身のコーデック(詰め方)が違えば、画質やファイルサイズが変わる」というわけです。
撮影素材の形式の違い(AVCHD・XAVC S・MOV など)
動画編集の第一歩は「素材を取り込むこと」ですが、この時に出てくるファイル形式がバラバラで戸惑った経験はありませんか?
ここでは、撮影機材によって異なる保存形式の違いを、初心者向けにわかりやすく解説します。
よく使われる撮影素材の形式とその特徴
形式 | 主な機器 | 特徴 |
---|---|---|
AVCHD | ビデオカメラ(主にPanasonic、SONYなど) | 高画質・ブルーレイ向き。拡張子は.mts 。フォルダ構造が複雑で初心者はやや扱いにくい。 |
XAVC S | SONYのカメラ | 高画質かつMP4ベースで編集しやすい。拡張子は.mp4 または.mxf 。 |
MOV | iPhone・一部の一眼レフ・Mac系ソフト | Apple製品で標準的に使われる形式。高画質で軽量な場合が多い。 |
MP4 | スマホ・GoProなど | 最も汎用的な形式。撮影後すぐにSNSやYouTubeに投稿しやすい。 |
どう使い分ければいいの?
AVCHD:保存用やブルーレイ書き出し向き。ただし扱いにくさもあるので、初心者は変換して使うのも手。
XAVC S:高画質編集したい人におすすめ。SONYユーザーならまずこの形式に出会うはず。
MOV:iPhoneやMacユーザーならおなじみ。再生や編集に強く、軽快に扱えるのが魅力。
MP4:投稿用・SNS用・初学者には一番のおすすめ。動画編集ソフトでもスムーズに読み込める。
撮影素材でよくある「困った」
ファイルが見つからない! → AVCHDやXAVC Sはフォルダ階層が複雑。直接ファイルを探さず、専用ソフトで取り込むとラク。
再生できない! → Windowsや古いソフトではMOVやHEVC形式が開けないことも。
ファイル名がバラバラで管理しづらい! → 撮影後は形式を統一 or 名前を整理しておくと後がラクです。
次は、編集や書き出しのときに使う形式(MP4・MOV・AVIなど)について解説します!
「保存された素材をどう活かすか?」に関わる大事な話なので、ぜひ続けてご覧ください。
編集・書き出し時に使う形式の違い(MP4・MOV・AVI など)
動画の編集が終わったら、次は「書き出し」です。
このときに「どの形式で保存すればいいの?」と悩む方も多いはず。
ここでは、書き出し時によく使われる形式の特徴と、どう選べばいいかを解説します。
よく使われる書き出し形式とその特徴
形式 | 特徴 | 向いている用途 |
---|---|---|
MP4 | 軽くて汎用性が高い。再生・投稿・共有が簡単。画質と容量のバランスが良い。 | SNS投稿、YouTube、スマホでの再生 |
MOV | 高画質で編集にも強いが、ファイルサイズは大きめ。Apple製品との相性が◎。 | Macでの編集、保存用、高画質用途 |
AVI | 無圧縮または低圧縮。非常に高画質だがファイルが重く、互換性が低め。 | Windows環境での高品質保存・一部業務用 |
ProRes(参考) | Appleの高画質業務用フォーマット。プロの現場で使用。 | 映像制作・テレビ・CMなど |
書き出し形式、どう選べばいい?
SNSやYouTubeに投稿したいならMP4
→ 軽くて再生しやすく、どんな端末でも扱える。高画質で保存したい・後で再編集したいならMOV
→ 特にMacユーザーにはおすすめ。品質をキープしやすい。とにかく画質最優先!という場合はAVIやProRes
→ ただしファイルサイズが非常に大きく、扱いには注意。
書き出しでよくあるミス・注意点
再生できないファイルを選んでしまう
→ 対応していない形式だと、投稿先でエラーになることも。事前に確認を。高画質にしすぎて容量オーバーに
→ 特にSNSではアップロード制限に引っかかることも。画質とサイズのバランスを意識しましょう。形式は編集ソフトの設定に依存する
→ ソフトによって対応形式が異なるので、自分が使っているツールに合った選択を。
次のセクションでは、「結局、自分はどれを選べばいいの?」という疑問に答える、目的別の形式早見表を紹介します!
用途に合わせた最適な形式がすぐにわかりますよ。
目的別おすすめ形式早見表|どの形式を選べばいいか迷ったときに
ここまでで「ファイル形式によって特徴が違う」ということはなんとなくわかってきたと思います。
でも実際、「自分の場合はどれを選べばいいの?」と迷う人も多いはず。
そこで、目的別におすすめのファイル形式をまとめた早見表をご用意しました!
目的別おすすめ形式早見表
使用目的 | おすすめ形式 | 理由 |
---|---|---|
SNS投稿(Instagram, TikTok等) | MP4 | 軽くてどこでも対応、アップロード制限にかかりにくい |
YouTube動画 | MP4 | 再生・圧縮・エンコードの相性が良い |
高画質で保存(あとで再編集する) | MOV / XAVC S | 画質を保ちつつ編集しやすい。Apple製品との相性も◎ |
業務用・映像制作 | ProRes / AVI | 画質重視。ただしファイルサイズは非常に大きい |
編集の軽さ重視 | MP4 | 負荷が少なく、再生・編集がサクサク |
ワンポイントアドバイス
「投稿用」か「保存用」かで、形式の選び方が大きく変わります
高画質にこだわりすぎると、ファイルが重くなり編集も大変になることも
迷ったらまずはMP4。そこからステップアップするのがおすすめです!
よくある疑問Q&A|ファイル形式の小さなギモンまとめ
ファイル形式について調べていると、ちょこちょこ浮かんでくる「これってどうなの?」という疑問。
ここでは、初心者の方が特につまずきやすいポイントをQ&A形式でスッキリ解決していきます。
MP4とMOV、どっちが画質が良いの?
形式そのものに画質の良し悪しはありません。
画質は「撮影時の設定」や「圧縮の方法(コーデック)」に左右されます。MOVは高画質で保存されていることが多いですが、それは主にApple製品の設定によるものです。
拡張子を変えるだけで形式は変えられる?
ファイル名を変えても中身は変わりません。
たとえば .mov
を .mp4
にリネームしても、形式が変わるわけではなく、再生できなくなる可能性があります。正しい変換は動画編集ソフトや変換ツールで行いましょう。
ファイル形式を変えたら画質も劣化する?
圧縮を伴う形式に変換すると画質は劣化します。
特に「高画質形式 → 軽い形式(例:MOV → MP4)」のように変える場合、少しずつ劣化します。必要最低限の変換に留めましょう。
編集ソフトで読み込めない形式があるのはなぜ?
編集ソフトによって対応している形式が違うからです。
MOVやXAVC Sなど、一部の形式は特定のソフトでしか開けない場合があります。自分が使う編集ソフトの対応形式はあらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
動画ファイル形式の違い、なんとなくモヤモヤしていた方も、この記事を読んで少しスッキリしたのではないでしょうか?
今回ご紹介した内容をざっくりおさらいすると
本記事のポイントまとめ
ファイル形式=動画の保存方法の違い。拡張子はその“目印”のようなもの。
MP4は汎用性抜群。迷ったらこれ!
カメラや目的によって形式は変わる。iPhoneはMOV、一眼レフはAVCHDなど。
形式によって画質・容量・編集のしやすさが違う。投稿用か保存用かで選び方が変わる。
書き出し形式は用途に合わせて選ぶのがコツ。投稿にはMP4、高画質保存にはMOVやProRes。
次にやるべきこと
自分が普段使っているカメラや編集ソフトの対応形式を確認してみましょう
書き出すときは「どこで使うか(投稿?保存?)」を意識して形式を選んでみてください
このガイドをブックマークして、迷ったときにすぐ見返せるようにしておくと安心です
動画編集は知識が増えるほど、効率もクオリティも上がっていきます。
ファイル形式の理解は、その第一歩。これからも楽しく、スムーズな動画制作を楽しんでください!