「編集を頑張ってきれいに仕上げたのに、書き出してみたら画質が悪くなった…」なんて経験はありませんか?
それ、設定を少し見直すだけですぐに解決できる問題なんです。
本記事では、画質が悪くなる原因と、初心者でも簡単にできる最適な書き出し設定についてご紹介します。
これを読めば、どの動画編集ソフトを使っていても設定ミスを防ぎ、理想の画質で書き出せるようになります!
この記事でわかること
- 画質低下の原因
- 書き出し時に設定すべき最重要ポイント
- 用途に応じたおすすめの設定
- 設定ミスを防ぐためのコツ
まずはここをチェック!画質低下を防ぐ3つのポイント
まずは細かい説明は抜きにして、画質低下を防ぐために「これだけは押さえておきたいポイント」を簡潔にご紹介します。
解像度は素材と同じ設定に合わせる
元の素材より解像度を下げると画質が低下しやすいので、編集した素材の解像度を基準に設定しましょう(例:素材が1080pなら書き出しも1080p)。ただし、素材自体が低解像度の場合は、それ以上に設定しても画質は向上しません。
ビットレートは最低でも10Mbps以上に設定する
特にフルHD(1080p)の動画では10Mbps以上を目安にすることで、映像の鮮明さを保てます。
形式は用途に応じて選ぶ
- 手軽さ重視ならMP4
MP4はほぼすべてのSNSやデバイスに対応しており、画質とファイルサイズのバランスが取りやすい形式です。 - 画質を最優先するならMOVやAVI
MOV(Apple製品向け)やAVI(Windows標準形式)は圧縮が少ないため、元の素材の画質をほぼそのまま保つことができます。ただし、ファイルサイズが非常に大きくなるため、保存や共有したいときにやや扱いにくくなる点に注意しましょう。
これらの設定に気を付けるだけで、画質低下を回避できます。以下では、書き出し時に画質が低下してしまう理由や注意点について、さらにわかりやすく解説していきます!
画質が悪くなる主な原因
動画を書き出す際に画質が悪くなってしまう原因はいくつかあります。ここでは、よくある原因とその仕組みについて説明します。
解像度の設定ミス
解像度は、動画の「見た目のきれいさ」に直結します。元の素材より低い解像度で書き出すと、映像がぼやけたように見える原因になります。
一方で、元の素材より高い解像度を設定しても画質が向上するわけではありません。それどころか、元の素材が持つ情報以上の画質は再現できないため、拡大された分だけ粗さが目立つことがあります。元の素材と同じ解像度、または編集時に設定した解像度を基準に書き出すことが重要です。たとえば、1080p(フルHD)で編集した場合は、書き出しも1080pにしましょう。
ビットレートが低い
ビットレートは、動画の1秒間にどれだけのデータ量を使うかを示します。数字が大きいほど情報量が多く、映像が鮮明になります。逆にビットレートが低すぎると、動きが多いシーンでブロックノイズが出たり、画質が荒れて見えることがあります。目安としては、フルHDなら10Mbps以上が推奨です。SNS投稿でも、この設定を基準にするのがおすすめです。
圧縮形式の選択ミス
書き出す際に選ぶ動画形式(例:MP4やMOV)によって、画質に差が出ることがあります。圧縮が強すぎる形式だとファイルサイズは小さくなりますが、画質が犠牲になりやすいです。おすすめは、汎用性が高く画質を保ちやすいMP4形式。特にSNS投稿用としては最適です。画質を優先するなら、ファイルサイズは大きくなりますが、圧縮の少ない形式を選ぶのも一つの手です。
ファイルサイズを小さくしすぎる
SNSやメールで動画を共有する際、ファイルサイズを小さくする必要があることも多いですよね。ただし、解像度やビットレートを極端に下げすぎると、画質が大幅に劣化してしまいます。画質を保ちながらファイルサイズを抑えるには、以下のポイントを意識しましょう。
- 解像度
用途に応じて解像度を適切に調整します。たとえば、SNSに投稿する場合やスマートフォンで再生することを想定するなら、720p(1280x720ピクセル)が十分な場合が多いです。フルHD(1080p)は高画質ですが、ファイルサイズが大きくなるため、必要に応じて選択しましょう。視聴デバイスや用途に合わせて解像度を選ぶことが大切です。 - ビットレート
解像度に応じた適切なビットレートを設定しましょう。- 1080p(フルHD):8~10Mbps程度が目安
- 720p(HD):5~8Mbps程度
SNS向けにファイルサイズをさらに抑えたい場合は、それぞれの最低ライン(例:1080pで6Mbps程度)まで下げても問題ありませんが、それ以下は画質が劣化しやすくなります。
- 圧縮形式
MP4(H.264)形式を選ぶのが基本です。この形式は多くのデバイスやプラットフォームに対応しており、画質とファイルサイズのバランスが優れています。
初心者向け!動画の最適な書き出し設定
動画を書き出す際に、適切な設定を選ぶことで画質低下を防ぎつつ、用途に合った動画を作成することができます。ここでは、解像度やビットレートなど、初心者が特に気を付けるべきポイントをわかりやすく解説します。
解像度の選び方
解像度は、動画の表示サイズを決める重要な要素です。以下の基準を参考に、用途に応じた解像度を選びましょう。
- 視聴デバイスが小さい場合(例:スマートフォンでの視聴)
720p(1280×720ピクセル)がおすすめ。SNS投稿やスマホ中心の視聴では、この解像度で十分きれいに見えます。 - 高画質を求める場合
1080p(1920×1080ピクセル、フルHD)が標準的。YouTubeや大画面のPC・テレビで視聴する場合に適しています。 - 4Kなど超高画質を求める場合
2160p(3840×2160ピクセル)などの4K解像度を選びます。ただし、ファイルサイズが非常に大きくなるため、保存先の容量や視聴環境を考慮してください。
注意:元の素材の解像度を上回る設定にしても画質が向上することはありません。必要以上に高い解像度を選ぶと、ファイルサイズが増えるだけでなく、粗さが目立つ場合があります。
ビットレートの目安
ビットレートは、動画の1秒間にどれだけのデータ量を使うかを表します。解像度や用途に応じて適切なビットレートを設定することで、画質とファイルサイズのバランスを取ることができます。
- 1080p(フルHD):8~12Mbpsを目安に設定
SNS投稿用なら下限に近い8Mbps程度でも十分です。高画質を重視する場合は10Mbps以上を推奨します。 - 720p(HD):5~8Mbpsを目安に設定
スマホ向けや軽量化を重視する場合でも、最低5Mbpsを確保しましょう。 - 4K(超高解像度):20~40Mbps程度
高画質な保存用の場合、30Mbps以上を推奨します。SNS向けでは20Mbps程度で十分な場合もあります。
圧縮形式の選び方
書き出す動画形式は、用途に応じて適切なものを選びましょう。
- MP4(H.264圧縮)
汎用性が高く、画質とファイルサイズのバランスが良い形式です。SNS投稿やメールでの共有に適しています。 - MOV(圧縮が少ない形式)
画質を重視する場合におすすめ。特にApple製品との互換性が高い形式ですが、ファイルサイズが大きくなる点に注意してください。 - AVI(低圧縮または非圧縮形式)
画質を最優先したい場合の選択肢ですが、ファイルサイズが非常に大きくなるため、保存や共有が難しくなる場合があります。
フレームレートのポイント
フレームレートは、1秒間に表示される静止画の数を表します。動画の滑らかさを決定する重要な要素ですが、基本的には元の素材に合わせるのがベストです。元の素材のフレームレートより高く設定しても、追加フレームはソフトウェアが生成するだけです。動きが不自然になったり、ファイルサイズが増えるだけで、画質や滑らかさが向上するわけではありません。
具体的な設定例
- 素材が24fpsの場合
映画のようなシネマティックな映像では24fpsが多いです。この場合も素材に合わせて24fpsを選びましょう。 - 素材が30fpsの場合
書き出しも30fpsに設定しましょう。一般的な動画(Vlog、日常の記録映像など)ではこれが標準的です。 - 素材が60fpsの場合
書き出しも60fpsに設定すると、素材の滑らかさをそのまま保つことができます。スポーツやアクション映像に多い設定です。
注意点
- 異なるフレームレートの素材を使う場合
異なるフレームレートの動画を1本にまとめる場合、プロジェクト全体のフレームレートを1つに統一し、それに合わせて書き出すのがおすすめです。混在したまま書き出すと、動きが不自然になる可能性があります。 - 用途に応じて変える場合
SNSや一部の配信プラットフォームでは、60fpsの動画を推奨している場合があります。ただし、元の素材が30fpsなら無理に60fpsに上げる必要はありません。
用途別おすすめ設定
どんな用途で動画を使うかによって、最適な設定は異なります。ここでは、SNS向けと高画質保存用の具体的な設定例をご紹介します。
SNS向け
- 解像度:720pまたは1080p
- ビットレート:10Mbps程度
- 形式:MP4(SNS対応率が高く、ファイルサイズも適度)
- フレームレート:30fpsで十分
高画質保存用
- 解像度:1080pまたは4K(保存先の容量に余裕があれば4Kがおすすめ)
- ビットレート:20~40Mbps(画質を重視する場合は高めに設定)
- 形式:MOVまたは高ビットレートのMP4
- フレームレート:30fpsまたは60fps(動きの多いシーンの場合)
書き出し設定で注意したいポイント
解像度とビットレートの組み合わせに注意
解像度が高いのにビットレートが低すぎると、画質が不鮮明になることがあります。解像度とビットレートのバランスを考え、適切な組み合わせを選ぶことが重要です。
ソフトごとの初期設定に頼らない
動画編集ソフトには初期設定がありますが、そのまま書き出すと解像度やビットレートが低く設定されていることがよくあります。書き出し前に設定を確認し、自分の目的に合った数値に調整しましょう。
保存先やファイル形式に注意
保存先の容量や、再生するデバイスによっては、ファイル形式を変える必要があります。用途や視聴環境に合った形式で書き出すことで、画質を保ちながらスムーズに再生できます。
まとめ
動画の画質を保ちながら書き出すには、解像度、ビットレート、形式の設定を確認し、用途に合った数値を選ぶことが大切です。初心者の方でも今回のポイントを押さえれば、設定ミスを防いで理想の画質で書き出すことができます。これで、動画編集画面で見たときの見た目そのままの美しい動画を、書き出しでも楽しめるようになります!
さっそくご自身の動画で、最適な設定を試してみてくださいね!